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国語科・佐藤 喜一先生
 

      ウマ年である。まもなく73歳になる。スピードはそれほど出ないが、まだ走っている。
      学校のプラットホームを去ってから、好きだった汽車と文学とをレールの上に乗せ、文人たちや
    作品の主人公たちとの道行きをともにする汽車の旅を始めた。
      この旅は、『汽笛のけむり 今いずこ』(99 新潮社)・『されど汽笛よ 高らかに』(02成山堂書店)
    となって結実した。
      前書は、第25回交通図書賞なる賞を受けたけれど、いずれも売れる本じゃない。ま、それはそれ
    で致し方ない。
      というわけで、毎日ガソリンを注入し、けむりを吐きながら、「時刻表」をめくっている。そして、
    フラリと旅に出る。旧いSLに乗ったりして悦んだりする。そんな郷愁と発見にみちた旅を愉し
    む人……。
      同好の士がいたら、いつかゆっくりオシャベリをしましょう。