週┃刊┃ 第4号 ━┛━┛━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ○○■○○○○○■■○○○○○○○■○○○○ 2003.8.13発行 ┃ ■■■■■○○■○○○○■■■■■■■■■■ ┃ ○■○■○○■○○○○○■○■○■■■■○■ ┃ ■■■■■○■■■■○○○○■○○○■○○○ ┃ ○○■○○○■○■○○○○■■○■■■■■○ ┃ ■■■■■○■○■○○○■○■○■○○○■○ ┃ ○■■■○○■○■○○○○○■○■■■■■○ ┃ ■○■○■○■○■○○○○○■○■○○○■○ ┃ ○○■○○■○○■○○○○○■○■■■■■○ http://www.chouyou25.jp/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ □■ ■           ニ  ュ  ー  ス □■ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ YahooのML「同窓会」=高校=の部で 〔週刊新宿〕が全国最大のMLに 7月に発刊した当〔週刊新宿〕はYahooのe-groupsのMLを無料で利用させてもらっています(広告は付いて回りますが)。 各「同窓会」でも便利に使っているようです(私の中学同期会でも今年2月からこれを利用しています)。その高校の部で利用している同窓会は全国1,853校がリストアップされていますが、先週215人登録させてもらいましたが、これまでのトップは大阪の北野高校で210、東京は西高校190です。それが今回215で何と我々がトップになった次第です。 公立高校ですと大体1学年300〜400人定員かと存じますから、Maxで300が限度かも知れません。おそらくこれからは、私立高校等では同窓生とのネットワークにこうしたMLがドンドン利用されるようになるんではないでしょうか? ところで『全員集合』を生涯目標に定めている渡辺君は、「全国トップ」等は眼中になく、通過点と思っているらしく当面MLメンバー300と豪語しております。そのためにはあと80人のアドレス調査が必要です。土橋君曰く「もう少しGとH組が判明してくれれば…」と嘆いています。といった訳で、内容は薄い〔週刊新宿〕でありますが、25回生ネットワークとして情報提供を続けてまいります。お知り合いの級友でアドレスを知っている方は幹事までご一報下さい。 なお、このメルマガの投稿は自由であります。是非、215人の皆さんのご参加をお待ちしております。皆さんが関わっていらっしゃるイベントの事でも結構です。情報をお寄せ下さい。 C組・斎藤 成 ★お知らせ!★ ■〔週刊新宿〕は夏休み返上で発行しまーす。 ☆〔週刊新宿〕第5号(8/20)は。8月15〜17日の塩見合宿の特集号です。 お楽しみに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ □■ ■         コ    ラ    ム    等 □■ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ 【職員室だより】 「教科書」のなかの青春 C組 渡部信綱  前号で書かれた森さんの文章を読んで、ちょっと感動しました。「教科書や新聞に書いてあることが唯一無二の真実ではなく…」という箇所です。私は現在都立高校で教えていますが、都立高校も進学重点校や中高一貫校を作って私学に対抗しようというご時世。「特別考査反対」などを唱えていた私たちの時代からすると、ふりだしに戻ったような感があります。全都から選ばれた教員が、都立高校をアピールするために中学生を集めて夏休みに補習授業を行うそうで、その優秀な教員を名づけて"Super Excellent Teacher"と呼ぶのだそうです。私の勤務している学校の生徒なら「超スゴ〜イ先生」とでも訳しそうです。 受験勉強は、知識を身につける上で勿論重要ですが、他方で何事に対しても自分なりの判断力を持つためには、やはり「教科書や新聞に書いてあることが唯一無二の真実ではなく…」という視点は大切です。親が子供に向かってきちんとそう言えるのは、とても素敵だとおもいます。森さんは"Super Excellent Mother"ですね。 さて、そう言いながら、実は自分がいかに教科書の影響を受けているか?に気づいたことを書いてみたいと思います。  高校時代の教科書で捨てられないものが二つあります。一つは、澤先生のリーディング。そしてもう一つが山川の世界史です。中には黄・赤・青のアンダーラインと矢印と書き込みの数々。怠慢な私は、教科書一冊の中に世界史のすべてを押し込めようとしたのです。まさか自分がこうして世界史の教員になるとは思いませんでしたが、久々に引っ張り出してきて中身をぺらぺらとめくってみました。 序(1965年)にはこう書かれています。「世界史を学ぶ目的は、地球に人類が発生してから今日に至るまでの、人間生活の営みと社会の発展のあとを、総体的に知ることにある」。中を見ると、西洋社会は「宗教改革によって生まれた神の前での平等と責任の信念、現世での経済活動を人間の使命として肯定する考え方が著しく、啓蒙主義・市民革命・産業革命を通じてつちかわれた合理主義的・科学的思考、個人主義、自由の意識は、自由主義に立つ資本主義経済、議会政治による近代民主主義の勝利をもたらした」。これに対して、東洋は「近年まで…むしろ絶対的な権威をもつ支配者の臣民であった。このような権威主義的・固定的な支配、また封鎖制などが東洋社会の停滞性といわれるものを生んだことは否定できず、ここに近代を通じて東洋が西洋に比べて劣勢に立つに至った原因があろう」と書かれています。 この文を読んで、皆さんはどういう感想をもたれるでしょうか。私は正直ショックでした。確かに記憶の中で高校時代の世界史といえば、西洋史と中国史が大半というイメージでしたが、まさかこんなにストレートな記述だったとは…。西洋は発展段階論的に、古代奴隷制社会→中世封建制社会→近代市民社会と自生的に発展してきた。だから、日本はその後を追って一日も早く市民社会を作り上げ、遅れた東洋に対して西洋文明の仲間入りしよう、という想いは伝わってきます。しかし、このようなストーリーは「西洋中心主義」「一国史観」(各国は歴史の発展段階を自生的に順に進んでいくことによって望ましい社会をつくることが出来る)だとして、現在はとてもこのような形では子供たちに教えません。 近年のアジア研究(イスラーム史・インド史・東南アジア史・中央アジア史・中国史など)の成果には、目を見張るものがあります。そこから浮かぶアジアは、実に豊かな社会なのです。「大航海時代」以前すでにアジアには濃密なネットワークが張り巡らされ、様々な物産が交易されていました。香辛料・茶・陶磁器・絹・綿布etc。大航海時代のヨーロッパ人は新規参入者であり、one of themに過ぎなかったのです。金や銀を支払うのは常にヨーロッパ側でした。ヨーロッパ人が武力を背景にアジアで大きな存在となるのは、大雑把にいって18世紀半ば以降です。他方、ヨーロッパの自生的発展というのも、大西洋における奴隷貿易や植民地支配の利益の巨大さを考えるととても首肯できません。  しかし私が驚いたのは、このような歴史研究の進展にもかかわらず、現在も私の中に厳然として存在するヨーロッパ市民社会への想いのルーツを、あたかも玉手箱のように旧い教科書の中に見つけたからです。教科書が血肉化しているといえばかっこいいのですが…。  私たちが使っている西暦は、もともとは教会暦でした。イエスの言葉を信じて悔い改めて最後の審判に備える信者たち。しかし、イエスが死んでも「終末」は訪れない。そこで信者たちは聖書に基づき天地創造の年代を算定し、そこから現在の時代的位置と終末の時期を推測したのです。しかしこれは補助的なものでした。6世紀になり、当時ローマで用いられていたディオクレティアヌス(キリスト教最大の迫害者)起源の暦を嫌って、新たにディオニシウスという人物がキリスト誕生年を算定して作ったのが西暦の始まりだといわれています。いずれにせよキリスト教的時間には、天地創造という始まりがあり、神による救済の実現(終末)という目的があり、これが形を変えたのが「進歩」の歴史であり、発展段階論的歴史観でした。その目的であるはずの「社会主義諸国」は崩壊した。だから、現在は西洋的な意味で歴史の目的が失われた時代だともいえるのです。西谷修氏の比喩を借りるなら、ヨーロッパという大河に早く合流しようとして急流を下っていた私たちは、気づいてみたら海を漂っていたのです。海に目指す先はありません、漂うだけです(そんなコマーシャルありますよね)。かくして現在の私たちの前にある歴史は、30年前の教科書の中に描かれた歴史とは異なる文脈の中にあるといっていいと思います。  振り返れば、旧い教科書の言葉に込められた自信とパワーに一種の感慨と羨望を覚えるのは事実です。でも振り返るのはやめます。事実は小説より奇なり、アジアをはじめアフリカ・アメリカ・オセアニアそしてヨーロッパ諸地域の歴史の豊饒さには、知れば知るほど興味が尽きないものがあります。インターネットを始めてから一気に減退した視力にもめげず、"Super Excellent Teacher"にも負けないよう読書に励みたいとおもいます。 「吾常に史を読み古人の行事を看て、志を励ますことを好む」(吉田松陰『講孟余話』) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ バックナンバーをご覧になられたい方は、 http://www.chouyou25.jp/shukan-shinjuku/ より、見ることができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ では、また来週! 感想などは、 henshu@chouyou25.jp 迄お送り下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎◎◎◎◎ 「週刊新宿」(毎週一回発行予定) ◎◎◎◎◎ 発行元:朝陽同窓会新25回同期会 ◎◎◎◎◎ 発行人:25回代表幹事 渡辺康隆 ◎◎◎◎◎ 編集長:斎藤 成 ◎◎◎◎◎ 編集:斎藤 成、渡辺 康隆 ◎◎◎◎◎ 編集技術:土橋 英三 ◎◎◎◎◎ WebSite:http://www.chouyou25.jp/ ◎◎◎◎◎ お問い合わせ:henshu@chouyou25.jp ◎◎◎◎◎ (C)2003 Chouyou25 All Rights Reserved 無断転載禁止 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━