週┃刊┃ 第11号 ━┛━┛━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ○○■○○○○○■■○○○○○○○■○○○○ 2003.10.1発行 ┃ ■■■■■○○■○○○○■■■■■■■■■■ ┃ ○■○■○○■○○○○○■○■○■■■■○■ ┃ ■■■■■○■■■■○○○○■○○○■○○○ ┃ ○○■○○○■○■○○○○■■○■■■■■○ ┃ ■■■■■○■○■○○○■○■○■○○○■○ ┃ ○■■■○○■○■○○○○○■○■■■■■○ ┃ ■○■○■○■○■○○○○○■○■○○○■○ ┃ ○○■○○■○○■○○○○○■○■■■■■○ http://www.chouyou25.jp/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ □■ ■            ニ ュ ー ス □■ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ ◆F組・森能文君のライブ、10月4日(土)午後3時から すでにご連絡してありますが、10月4日(土)に下北沢「ヴィレッジ・グリーン」で“ピブロック”をとことん聴くプチ・ライブ(正確には生演奏&ビデオ上映)が催されます。 F組の級友を中心に参加者が手を挙げておりますが、お時間のある方は是非お立ち寄り下さい。 6時以降は25回オフ会になると思います。 「ヴィレッジ・グリーン」東京都世田谷区北沢2-9-3 三久ビル2F(下北沢下車3分 本多劇場そば) URL : http://homepage3.nifty.com/villagegreen/ Tel & Fax:03-3467-8970 □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ □■ ■           コ  ラ  ム □■ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ 【ピロティーから】 イベント(展示会・機材展)の表裏 C組・斎藤 成(社団法人東京グラフィックサービス工業会専務理事) 以前〔週刊新宿第2号〕で私の仕事に「イベント(展示会・機材展)」の運営がある、と申し上げました。イベントといっても、我々の同期会や久木本君が燃えているお祭りもイベントに変わりはありませんが、商売ましてや大規模展示会となるとやや趣が異なります。 皆さんが足を向けるモーターショーやビジネスショウ、マイナーな所でも渡辺君の趣味の自転車や東島君のヨットをはじめ、ありとあらゆる分野の産業、趣味の世界でも展示会が催されています。およそ年に1回、隔年に1回のペースで開かれます。主に、東京ビッグサイト、幕張メッセ、大阪ではインテックス大阪等、大型施設を利用して開催しております。 これは社会的な産業としてのアピール、新技術の公開、販路の拡大が目的です。 先週22日〜28日の1週間、IGAS(International Graphic Arts Show)という世界四大印刷機材展の一つが開かれ、業界団体のPRの意味で私どもの業界団体も出展しておりました、私の場合、年に1回、印刷の機資材展(昨年はビッグサイト4ホールで1,500小間規模)を25年間主催者として関わり、ここ13年間、事務局長として運営しております。仕事で自慢できることはありませんが、イベント専門会社でなく、機材展全ての運営ができる人間は全国でも100〜200人程度しかいない筈で、これは自慢できると思います。 近年は、インターネットの普及で見本市・展示会の在り方も変わり、一方でバブル崩壊以降、機材展環境も経費縮小が顕著で、見本市につきものの可愛いコンパニオン嬢も減ってきました。アメリカの展示会では、男性アナウンサーによる紹介やコンピュータ業界では自社社員が説明するケースが多くありましたが、日本もここ数年、きらびやかさより実をとる傾向になっています(コンパニオン目当てのカメラ小僧たちの姿はめっきり減りました)。晴海の頃は事務局長の「役得」でコンパニオン嬢と親しくお話できたりもしましたが…。 私の方も展示会専用HPを立ち上げ、Web上での機材紹介の情報提供、メルマガを発行したり、会期中HPに展示会の様子を随時流すといった工夫もしています。 大型イベントの準備・運営は、殆どが以下のような流れで進みます。 日程の決定と会場の確保(2年前)、実行部隊の組織化、テーマ・コンセプトの決定、ポスターデザインをはじめPR活動、プレス対応、動員計画、海外との折衝、出展社集め(これが最も大仕事)、会場内ブース設営とそれに伴う各種工事、出展カタログ、来場者管理とアンケート、主催者としての企画運営やセミナー、抽選会、会期終了後の片付けと残材処理等が通常の仕事です。そして、後援・協賛をもらう官公庁・団体との折衝もあります。 ここで皆さんがご存知ないであろう裏方的なお話を少しご披露しましょう。イベントは届出業務が非常に多い。施設側に加え、警察、消防、保健所への書類提出があります。 最も気を配るのが、出展社の場所を決める小間割です。申し込みのスペース、ライバル企業同士の配列、来場者の便宜を考えた工程毎のゾーン分け、そこに消防法の規制が入ります。消防法では、一定面積(3,000u)を1区画に6mの通路(避難通路の確保)で仕切り、非常口へつながる誘導路を作ります。そして1区画内の通路は3mで細かく仕切っていきます。この作業は何年やっていても骨の折れる作業です。(この作業が最も主催者として醍醐味がある仕事ですが) 確定した小間割りと使用する電気、電話回線(インターネット)、火気・可燃性危険物の届け出、水道工事、食品関係や会場内レストランの保健所への届け出、全体の(来場見込み・駐車場・搬出入車両)警備計画、駐車場対策、来賓VIPがお出での場合は警視庁との連携等があります。 ただこの25年間、無事故という訳にはいきませんでした。大きな事故は電話工事の職人さんが電話線取り付け中に、ブース天井から落下、一命は取りとめましたが、入院生活を3年間強いられました。来場者が心筋梗塞や転んで骨折で救急車、大工さんが誤って電動ノコで自分の太腿を切る、オぺレータ・コンパニオンの貧血はほぼ毎日、(展示会場に駆けつける救急車はサイレンを消して会場に横付けします)土日は、迷子で主催者室は「保育所」状態。泥棒やスリもお出ましになります。「売り上げ金をやられた!」と飛び込んでくる出展者があれば、警察の出番です。 始末に負えないのが、愉快犯です。これに遭遇したことはありませんが、「サリンを撒くぞ」「炭そ菌を撒くぞ」「爆弾を仕掛けた」…の電話です。 この際の危機管理マニュアルは、施設側で用意しています。一報が入ると、即、警察が駆けつけます。そして場内には『とうりゃんせ』とか決めてあるメロディーを全館に流します。注意信号です。来場者をパニックに陥れないように配慮し、「何もなかった」と判断すれば『サクラ、サクラ』等のメロディを流し、それで一件落着という具合です。 もし皆さんも、展示会で時ならぬ場面で変なメロディーが聞こえたら要注意ですヨ。 こんなこともありました。「参考出品の試作機の盗難」騒ぎです。この時は参りました。最終日の搬出作業中、忽然と試作モデルが消えてしまいました。メーカーは「あれが東南アジアに持っていかれたら、コピーされる、最悪だ」と保険で解決させるという対処では済まず、所轄の深川警察もお手上げ、「産業スパイらしくはない。やり方は荒っぽいが、タイミングが上手すぎる。内部犯では?…」出展者が岩手県の業者だったため、新幹線で往復し、地元の警察にも足を運び事情説明したり…。結果は他の出展者が間違って搬出、しかも借り倉庫に収納していたため、発見が1ケ月後、出たからよかったものの損害賠償をどうするかで頭を痛めました。 また15年前、パソコンが珍しかった頃、パソコン盗難があり、盗られた方は「機械よりソフトをどうしよう?」と真っ青、その後、そのソフトの海賊版は出なかったので、単にパソコンが欲しかっただけのようでしたが…。 展示会の面白いウラ話には事欠きませんが、何よりも「無事故が一番」これがイベント主催者の本音です。そして、どんな事態に遭遇しても絶対に慌ててはいけません。 先週の展示会では、準備期間に台風の到来にハラハラ、急遽の内閣改造でオープニングに予定していた経済産業省の村田事務次官が前日に欠席通知、代理は「日本国」を代表してなんと"課長"さんが挨拶という始末。ヨーロッパからの来賓にはどう映ったか?聞いてみたい所でした。イベントでのハプニングは尽きません。 さて、大規模展示場は東京近辺でビッグサイト、幕張、横浜…がありますが、どこも順調に利用されております。「稼働率」という言い方をしますがビッグサイトで60%、幕張で50%程度の利用率です。「エッ、そんなに低いの?」と思われるかもしれませんが、全館(10ホール程度)365日の稼働率ですから60%あればほぼ一杯の状態となります。実際の会期が4日間としても、準備に3〜4日、撤去に1日を借り上げますので8〜9日となります、ビッグサイトの借り賃は1u/1日380円(消費税別)、私が昨年8日間4ホール借りて、付帯設備は除いてホールの使用料だけで1億円をゆうに超えます。事務局長として収支の印鑑を押すものだけで3億円を超えます。モーターショー等は1イベントで10億円近くが主催者レベルで動いているはずです。個々の出展者では、有名なメーカー(富士フイルム、NEC、キヤノン…)クラスですと1社あたり1イベントで数千万円掛かっています。 イベントで動くお金は規模にもよりますが、何億円、それに見合う「商談」はその数倍ですからイベントの持つ経済効果は大きいものがあります。 主催者の当業界でも収入面で寄与してもらっていますが、準備に8ケ月、あと処理に2ケ月とほぼ1年間追われていることになります。 展示会というものは、主催者・出展者・来場者三位一体となって成り立つものです。どんなイベントでもそうでしょうが、準備に万端を期せば一定の成功は得られるものです。展示会の成功・不成功の評価の尺度は計りにくいものですが、第1が事故が起こらないこと、第2に関わる三者の満足感(来てよかった、出展してよかった、開催してよかった)、第3が数字的な目標の達成度…という順番でしょうか? 仮に何か失敗や大きな事故が起れば、それは準備を怠った結果だと言い切れます。不可抗力の事故もありますが、それは危機管理の領域での不備が原因であります。先程の試作機紛失も関係者が一瞬(5分間)、持ち場を離していたからで、主催者の小生も盗難は「出展者の自己責任」とタカをくくっていたからで、警備が手薄だったことが一つの要因でした。以来、大きな事故もなく、開催できていますがやはり事故の教訓や前例が生かされているからでしょう。 来年は、7月半ばに『JGAS(Japan Graphic Arts Show)2004』を東京ビッグサイト4ホールを使用して開催します。すでに、小間募集をはじめ、本格的な準備に取り掛かっております。印刷関係に興味のおありの方は是非、ご来場下さい。会期が近づきましたら、またアナウンスさせて戴きます。 バックナンバーをご覧になられたい方は、 http://www.chouyou25.jp/shukan-shinjuku/ より、見ることができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ では、また来週! 感想などは、 henshu@chouyou25.jp 迄お送り下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎◎◎◎◎ 「週刊新宿」(毎週一回発行予定) ◎◎◎◎◎ 発行元:朝陽同窓会新25回同期会 ◎◎◎◎◎ 発行人:25回代表幹事 渡辺康隆 ◎◎◎◎◎ 編集長:斎藤 成 ◎◎◎◎◎ 編集:斎藤 成、渡辺 康隆 ◎◎◎◎◎ 編集技術:土橋 英三 ◎◎◎◎◎ WebSite:http://www.chouyou25.jp/ ◎◎◎◎◎ お問い合わせ:henshu@chouyou25.jp ◎◎◎◎◎ (C)2003 Chouyou25 All Rights Reserved 無断転載禁止 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━