週┃刊┃ 第21号 ━┛━┛━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ○○■○○○○○■■○○○○○○○■○○○○ 2003.12.10発行 ┃ ■■■■■○○■○○○○■■■■■■■■■■ ┃ ○■○■○○■○○○○○■○■○■■■■○■ ┃ ■■■■■○■■■■○○○○■○○○■○○○ ┃ ○○■○○○■○■○○○○■■○■■■■■○ ┃ ■■■■■○■○■○○○■○■○■○○○■○ ┃ ○■■■○○■○■○○○○○■○■■■■■○ ┃ ■○■○■○■○■○○○○○■○■○○○■○ ┃ ○○■○○■○○■○○○○○■○■■■■■○ http://www.chouyou25.jp/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ □■ ■         ニ ュ ー ス + 呼 び 掛 け □■ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ ◇来年の現校舎取り壊し=お別れ会の開催を! D組・渡辺 康隆 ご存知のように、来年秋に現校舎(新校舎)が取り壊されます。そこで、提案は「校舎とのお別れ会」です。 我々25回は今の校舎の第一期生で、(我々が入学する少し前に現校舎に引っ越した)このイベントの発起人にはうってつけの回です。 我々の頃、現校舎は旧校舎に対して新校舎と呼んでいました。 それが今、元の旧校舎の所に新校舎を建築中で、来年秋には完成予定です。 出来上がれば、そちらへ引っ越して、今の校舎は旧校舎となり、取り壊されます。 早ければ来年末には壊されちゃう校舎に対し、お別れする会を開催しようとするものです。 確か我々の最後の頃、当時の旧校舎が取り壊される時、同じように旧制の方達を中心に旧校舎に別れを告げる会が開催され、寺内大吉氏がお経を上げたやに記憶しています。 我々新宿高校の思い出の一つの柱である校舎が壊される、その前にお別れ会をやろうではありませんか。 現校舎最後の日に校舎を借り切って、校舎に別れを告げる、思い出に浸る、旧交を交わす会を開催します。 皆さんの賛同も得られるし、学校の協力も得られると確信しています。 これで良ければ(いやダメとは言わせない)、chouyouMLに流したいと思います。 我々の回だけではなく、現校舎で学んだ最近の卒業生まで声はかけたいと思います。 □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ □■ ■           コ ラ ム □■ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ 【体育館から】 ■「伝説の5重跳びH君 最強の縄をめぐって」 A組  久保田 兼士  子供の頃、誰もがやったことのある縄跳び。最強の縄を求めて困難な開発に挑んだのは過去の栄光を取り戻そうとする一人の男であった。更なる栄光と挫折。これは、一本の縄を巡って繰り広げられた男達の執念のドラマである。  昭和45年4月、一人の男が都立新宿高校に入学した。男の名はK。物理や化学の好きな目立たない男で在った。水泳が得意だった彼は夏になって頭角を現し、その年の9月に行なわれた校長杯争奪校内水泳大会でポイントゲッターとなったのである。Kに訪れた栄光の日々。しかし栄光は長続きしない。  やがて季節は秋から冬へと移り変わり、体育の授業は縄跳びになった。Kは自分が陸に上がった河童であることを痛感させられた。同級生の多くが三重跳びをこなしている。四重跳びが出来る奴もいる。しかしKには二重跳びがやっとだった。  このままでは女にもてない。何とかしなければ。Kは焦った。そして、三日三晩寝ながら考えた。縄跳びに重要なのは長い滞空時間を生み出す跳躍力であることはすぐ分かった。しかし、短期間で跳躍力を高めることは不可能と思われた。ならば縄の回転速度を上げれば良い。長身であるKの縄には特に速い回転速度が必要であった。速く廻る縄を作ろう。男の沽券をかけた命がけの開発が始まった。  改めて自分の縄を観ると極ありきたりの縄であった。速く回そうとしても、空気抵抗に負ける。縄の質量が足りない。質量のある縄は回すのに力が必要だが一端廻りだすと高速回転を持続できる。縄の中央に糸半田を巻いた。以前よりは速く廻るようにはなったが限界があった。腕の力の半分しか糸半田に伝えられない。そして、耐久性がない。  やはり無理なのか。諦めかけたKの目に電線が映った。芯線は比重8.93の銅、外皮は塩化ビニール。適度に柔なやかで質量が在り、均質に仕上がっていた。秋葉原の電線屋に行き数種類の電線を買ってきた。片っ端から飛び縄に仕立てて試してみた。Kの足には何条もの蚯蚓腫れが出来ていた。単線ケーブルは硬すぎる。高周波用の同軸ケーブルは太すぎて取手の穴に入らなかった。オーディオ用のシールド線を試してみた。 ”廻った”。 今までの縄より遥かに速く廻りつづけた。これでまた女にもてる。Kの目から涙が溢れた。  Hは縄跳びの練習のため体育館へ入っていった。そこで一人の男に目を留めた。Kである。Kの持つ縄は信じられない速さで廻っていた。「ちょっと貸せ」引っ手繰るようにその縄を手にしたHは、逸る心を抑えながら試してみた。小柄なHには長すぎる縄では在ったが確かな手ごたえを感じた。運命の出会いである。  「この縄を俺にくれ」Hは言った。「それは困る」Kは首を立てに振らなかった。「ならば、この縄をお前のと同じにしてくれ」。Hが差し出した縄を観てKはハッとした。取手にはKの縄にはないベアリングが使われていた。この取手なら最強の縄が作れる。「この取手の入手先を教えてくれ。そうしたらお前の分も作ってやる。」  Kは何種類かのシールド線と取手を仕入れた。何本かの縄を試作しHに渡した。Hが選んだのは最も重い縄であった。「もっと重いほうがいい」、「長さは気持ち短めに」、「長目の奴も作ってくれ。技によって使い分ける」Hの注文に応じて更に試作を繰り返した。  最強の縄を手にしたH。五重跳びを攻略し、究極の荒技H飛びを完成させ、伝説となった。その栄光は、三十数年を経て未だに多くの人に語り継がれている。  最強の縄を開発したK。模造品の氾濫に押され、結局女にもてることは無かった。今ではHの伝説を支えた男として極少数の者の記憶の片隅に留められているに過ぎない。 バックナンバーをご覧になられたい方は、 http://www.chouyou25.jp/shukan-shinjuku/ より、見ることができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ では、また来週! 感想などは、 henshu@chouyou25.jp 迄お送り下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎◎◎◎◎ 「週刊新宿」(毎週一回発行予定) ◎◎◎◎◎ 発行元:朝陽同窓会新25回同期会 ◎◎◎◎◎ 発行人:25回代表幹事 渡辺康隆 ◎◎◎◎◎ 編集長:斎藤 成 ◎◎◎◎◎ 編集:斎藤 成、渡辺 康隆 ◎◎◎◎◎ 編集技術:土橋 英三 ◎◎◎◎◎ WebSite:http://www.chouyou25.jp/ ◎◎◎◎◎ お問い合わせ:henshu@chouyou25.jp ◎◎◎◎◎ (C)2003 Chouyou25 All Rights Reserved 無断転載禁止 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━