週┃刊┃ 第40号 ━┛━┛━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ○○■○○○○○■■○○○○○○○■○○○○ 2004.9.15発行 ┃ ■■■■■○○■○○○○■■■■■■■■■■ ┃ ○■○■○○■○○○○○■○■○■■■■○■ ┃ ■■■■■○■■■■○○○○■○○○■○○○ ┃ ○○■○○○■○■○○○○■■○■■■■■○ ┃ ■■■■■○■○■○○○■○■○■○○○■○ ┃ ○■■■○○■○■○○○○○■○■■■■■○ ┃ ■○■○■○■○■○○○○○■○■○○○■○ ┃ ○○■○○■○○■○○○○○■○■■■■■○ http://www.chouyou25.jp/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ □■ ■     北陸の郷、明日棟上げ! □■ □□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□ ◆はぐれ雲ツアー 第2弾報告 C組・斎藤成 12日、夕闇の東京の夜景を眼下に眺めながら、羽田に降り立った。心地良い疲労感が漂っている。川又君の「はぐれ雲」に行こう!…第2弾は、小生だけの参加であった。はぐれ雲のキョウコちゃんから「ツアーなのに、おじさん一人!」と笑われた。「そう、何人か声はかけたんだけど振られた」と弁解。 "心地良い疲労"とは、12日の午後2時間あまり、先週の台風で集落の野菜の即売所が強風で吹き飛ばされ、土台から作りなおす『土方』仕事を手伝ってきた。川又君でさえアゴをだしていた。 11日、出張先の金沢から富山に入り、駅で川又君と落ち合い、約30分程で「はぐれ雲」に到着する(空港からだと15分程度)、彼が活動している富山県大沢野町は人口2万2千人、町の南部は標高300mから1,000mの山々が連なる山間地で岐阜県と境を接する。北部は町の南西部を流れる神通川と地殻変動によって造りだされた3段の段丘が広がり、富山平野へと続いている。旧飛騨街道(富山県と岐阜県飛騨地方を結ぶ)沿いに町並みが発達し、町の中心を北陸と東海地方を結ぶ動脈である国道41号が縦貫している。 また、豊富な水資源を利用して、3箇所にダム、北陸で最初の発電所を含め7箇所に水力発電所があるとのこと。 近年は、富山市のベッドタウンとして住宅団地の造成が進み、何と人口が増加している!とか。江戸時代は加賀藩の飛び地であったことから町民のプライドは高いという。農村地帯でありながら、殆どの農家は兼業農家。-------そんな説明を聞きながら、彼の田んぼの作柄状況を見せてもらう。無農薬だけに茎がしっかりして先週の台風でも稲は倒れなかった、と他の田んぼの稲がなぎ倒されているだけに彼の自慢話に納得がいった。今年は、鳥インフルエンザの影響を心配して合鴨農法は断念したとのこと。 その日、彼は悩んでいた。明日稲刈りをすべきか? 稲はまだ多少青みがあった。そこで、ご近所の仲間に明日刈れるか? コンバインは貸してもらえるか?→収穫の日を決めるのは決断が要るという。結論は14日(火)と決まった。はぐれの黒板には『明日の稲刈りは中止』と書かれた。 「雨に降られたら刈れない。穂に一滴のしずくがあってもダメなんだ。」乾燥も彼の所は天日干し・自然乾燥である。普通、乾燥はハサ掛けをするが大沢野では刈り取った稲を畦に並べて乾かしていた。ただ他の農家は手間のかかる自然乾燥はやりきれず、機械乾燥をせざるをえないそうだ。また人手がない農家には「はぐれ」の若者が援農で田植えから手伝ってあげている田んぼもある。町内を回ってみると随分「はぐれ」が手伝っている所があった。何箇所かでぬかるんだ田んぼにコンバインが立ち往生している光景もあった。なぎ倒された田では手刈りをしている姿も見受けた。台風の後遺症である。車で回ってみると、農家の繁忙期にも拘らず若者の姿は皆無である。兼業・老農の実態が垣間見れた。ただ今年は富山県が新種として開発した「てんたかく」という新しいブランド米も作ったという(因みに米の名称は5文字と決まっている、コシヒカリ、ササニシキ、ひとめぼれ、ほしのゆめ、キヌヒカリ…、例外はあきたこまち、きらら397)。この「てんたかく」は県が10年かけて開発した新種で高温条件でも品質の良い早生品種(コシヒカリより早く実る)である。 ★はぐれのヒーローは光照君! 「はぐれ」には今、15人の入居者がいる。2人のスタッフと川又君親子4人、犬2匹でにぎやかな所帯である。小生、ひきこもり・不登校の子供たちと接したことがなく、どうあいさつをしようか?と思案していた。 そんな不安を察してか、長男の光照君が「斎藤さんはお父さんのお友達でしょ、お父さんは高校時代どんなだった? クラスが一緒だったの? 席は隣り同士? 一緒に遊んだの?…」と矢継ぎ早に質問を浴びせてくれた。その光ちゃんの目をみて驚いた。瞳が真っ黒く、輝いているのだ。都会の子供と違う純真な目である。喋り口調も人懐っこく、真直ぐである。(おいおい、この子があの川又の子息か?…どうみても親父のいいDNAだけを引き継いだと言っていい) 質問には丁寧に答えた。1年から3年まで同級、2年の後半からはサボリが目立ち、高校4年をかけて卒業したこと…。 「何故、学校に来なくなったんだろう? クラブ活動は? 女の子にはもててた? タバコ吸ってた?…」とまたしても質問攻め。入居している子ども達も一緒にいるが隠す訳にもいかず、答えていった。その間も光ちゃんは他の子達に話を向けていく。 「お父さんは、昔に戻れたら高校2年生に戻りたいっていたよ」「フムフム…」と一人納得。 話題を巧みに、回りの子達に「●●ちゃんだったら、いつに戻りたい?」と話しかけていく。絶妙なタイミングである。 「もし、お父さんが高校2年に戻っちゃたら、今のはぐれ雲は随分変わったものになっていると思うよ」と小生。 光ちゃん「それじゃ、困るな」 はぐれができて17年、光ちゃんは生まれてからずっと、はぐれの住人でもあり、色んな子達との共同生活をしてきている。帰り際、奥さんの佳子さんは「ウチはあの子でもっているのかもしれない」とポツリと語った。 はぐれには8つの掟がある、朝の起床、散歩から生活の基本事項がルールになっている。ルールを破れば「つけ」というペナルティがある。例えばお風呂の掃除とか…、20歳以上ならタバコ、お酒もOK、そんなに規則で縛ったりはしていない。(→川又君自身、縛られるのが大嫌いだからそんなことはしないことは分かる) 短い時間の滞在だが、子ども達は総じて大人しい。殆ど1日中、しゃべらない子もいた。でもはぐれのルールを守っているから問題はないんだろう。 年に6回、父母会を開いている。今月も近くの温泉付きのセンターで80名余で開く。 ★北陸の郷、建設へ その川又君が今、NPO法人としてここで不登校児や引きこもりに加え、障害者・高齢者という「社会的弱者」を支援する形で立ち上げようとしている「北陸の郷(くるがのさと)」である。この建物は「はぐれ」から徒歩7〜8分程の所にあり、基礎のコンクリートは打たれ、明日16日が棟上げとなる。しかも2階建で全館バリアフリーである。 全体計画によると、敷地面積3,300坪、延べ床面積400坪の@大衆食堂・デイケアハウスA生活研修棟B作業所(授産施設)の3棟のセンターに成るというもの、そして地域の人たちと支えあって運営していくという。 第1期工事費には7,800万円を予定、すでに(内訳は発起人で1,500万円、友人らによる「米の交流基金」は2,000万円を超えた。他に県や国金からの借り入れ、そして自転車振興会の補助金はまだ決まっていない)。 川又君を支えてくれている万願寺地区の仲間とも交流を持った。夜の11時過ぎに川又君が会合を終えて帰宅するや、2人を携帯で呼び出して夜中の酒盛りが始まった。キョウコちゃんも付き合っている。一人は前・町会議員で前回の選挙で何と1票差で落選という珍しい経験の持ち主のMさん(1票差での落選は新聞にも報じられた),もう一人は、地元有力企業で定年間際のサラリーマンA氏、この人は「北陸の郷」に全面協力することを約束している、まさに同志である。(そんなことで、この二人と一緒に 翌日野菜即売所の土方を手伝うことに…) Mさんは、「川又が来た時はどんなことになるのか?と思っていた。落下傘で降りてきたようなものだ。でもここの地域ではいい刺激になった。」としみじみ語る。 小生が高校時代の彼を語ると興味津津と聞いてくれていた。 いずれにせよ、初めて訪れた大沢野に17年、充分根を下ろした。お子さん2人はここで育った高校生である。小説・ドラマチックチルドレンでは『旅の人』から『地の人』になったと結んであるが、勿論彼らの地元に溶け込む努力も大変なものだが、地域が子ども達を育ててくれている環境が作り得たことが何よりも大きい(地域で村八分にされたら、ここでは生きていけない)。都会なら、嫌いならすぐ離れることもできるし、干渉しないケースも多い。しかし、農村地域では「離れられない」地縁で結ばれている。とことん「付き合い続けている」川又君の姿勢には頭が下がった。 政治的にも自民・民主・社民3党と上手く付き合っている。一方、新宿の先輩・中村敦夫さんとも強いネットワークを持つ。 川又君は、富山で充分、したたかに生きている。 彼曰く「所詮、娑婆はこんなもんよ」といいながら、暖かい眼差しを15人の子ども達に向けていた。そして、全体を調和させて子ども達を見守っているのが佳子さんの持つ"愛"の力なのだろう。 ■PR:川又君が販売しているお米はコシヒカリですが、低農薬10kg5,150円、30kg13,800円(送料別)です。なお、今年は富山県が新種として開発した「てんたかく」という新しいブランド米も作っています。 ここのお米は富山県でも有数の米どころでとてもおいしいお米と評判(川又君曰く新潟米より旨いぜ)。是非、一度お試しになっては? メールアドレス はぐれ雲のメールアドレスがかわりました haguregumo@ace.ocn.ne.jp です 電話076‐467-0969 ※光ちゃんからの伝言:今度来てくれる時は大勢で、そしてもう少し長くいてね。 ************************************************************************** バックナンバーをご覧になられたい方は、 http://www.chouyou25.jp/shukan-shinjuku/ より、見ることができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ では、また来週! 感想などは、 kanji@chouyou25.jp 迄お送り下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎◎◎◎◎ 「週刊新宿」(不定期刊) ◎◎◎◎◎ 発行元:朝陽同窓会新25回同期会 ◎◎◎◎◎ 発行人:25回代表幹事 渡辺康隆 ◎◎◎◎◎ 編集長:斎藤 成  ◎◎◎◎◎ 編集:斎藤 成、渡辺 康隆 ◎◎◎◎◎ 編集技術:土橋 英三 ◎◎◎◎◎ WebSite:http://www.chouyou25.jp/ ◎◎◎◎◎ お問い合わせ:henshu@chouyou25.jp ◎◎◎◎◎ (C)2003 Chouyou25 All Rights Reserved 無断転載禁止 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━